日々の練習により楽器のコンディションが崩れて来くることもありますので、本日は快適な演奏のために良い楽器のコンディションを維持する秘訣についてお話しさせていただきました。主に3つあげますと、
①松脂をどれだけ塗るか
②バイオリンの駒の位置
③バイオリンの音色はどのようにしてできているのか
まず①についてですが、弓の毛が白くなるまで塗ります。馬に尻尾の毛でできているため、やや茶色いので肉眼で確認可能です。適度に弦に白い粉がつく程度です。楽器を片付ける際この粉は拭き取りましょう。
②に関しましてはダイレクトに音色に関わってきますので注意したいです。
f字孔の中央の突起の部分に駒の中心がくるように配置し根本がしっかりと表板に密着するように立てます。チューニングを何回もしているうちに弦に引っ張られ傾いてきますので入念にチェックしましょう。
③についてですが、弦が振動し、この振動が接触している駒に伝わります。表板にのっている駒が振動すると表板に振動が伝わり、楽器内の空洞の中に立っている柱(魂柱)に表板の振動が伝わりさらに裏板を振動させるという仕組みになってます。 一言で言うと弦がバイオリンのボディを振動させて我々がよく耳にするバイオリンの音色が出来上がってます。
このようにバイオリンの音が出るメカニズムを知ることにより良い音色を出すヒントが見つかります。
やみくもに弓圧を上げて弦を過剰に振動させてもボディ全体にうまく振動が伝わりません。
程よい弓圧で演奏できれば誰もが憧れる美しい響きのあのバイオリンの音色が出てきます。
③から逆算して、弓圧が程よいのに良い音色が得られないとすれば、
②の項目をチェックしてください。
駒が歪んでいたら調整します。(ナイーブな作業なのでまだここは私が担当します)。
それでも弾きずらさを感じるならば
①をチェックします。
松脂の塗り具合は適切か否か。
「自分の演奏を楽器のせいにしてはいけない」と言う硬派で古い考え方がありますが、
腕の良い画家も筆の毛がほぼ抜け落ちてしまった筆では満足な絵も描けません。
最後に一つ付け足して指板と弦も汗がつくのでしっかり拭き取りましょう。
指板が汚れているとポジション移動も上手くいかなくなります。
長くなりましたが上記の事を気にかけて末長く続けていただきたいです。本日もレッスンお疲れ様でした。